Chefs Profile
オーナーシェフ・パティシエ
霜上 明宏
1971年 熊本県玉名市生まれ
1990年 東京製菓学校入学
1992年 東京世田谷「成城アルプス」にて7年間修業
1999年 帰郷後「ロワゾーブルー」をオープンして現在に至る。

2007年 第14回ルクサルド・グラン・プレミオ大会優勝
2008年 イタリア「SIGEP」にてデモンストレーション
2009年 全九州洋菓子コンテスト グランガトー部門1位
2009年 全九州洋菓子コンテスト ピエスアーティスティック部門1位
2010年 ジャパンケーキショー トップ・オブ・パティシエ準優勝
2012年 クープ・ドゥ・モンド(世界大会)国内最終予選3位
2016年 熊本天草にてスイーツクルーズ船エルミラ号のスイーツ監修

その他、日本国内、台湾、韓国にて業界技術者向け講習会実施
一般向けお菓子教室実施
熊本、福岡の専門学校非常勤講師
都道府県卓越技能者 熊本県知事表彰
厚生労働省 ものづくりマイスター
パティシエとして進化し続ける
霜上は、2007年 洋菓子作りの技術を競うコンクール「ルクサルド・グラン・プレミオ」で日本一の栄誉に輝いた。
オーナーシェフが出場することや運搬のハンデがある首都圏以外から参加すること自体が珍しいとされるコンクールにあえて挑み続けたのには理由がある。「コンクールは自分を表現する場。そこに出場することで、やる前とやった後では確実に自分が進化しているのが分かるんです。コンクールで重要なアメ細工が出来なくても店をやっていくことは出来ます。でも、そこで試される感性を磨くことを普段から意識していないと、コンクールでは勝負にならない」と語っているように、パティシエとしての意識を進化させるためである。
同大会は、パティシエたちにとって「世界への登竜門」といわれるという大きな競技会で、4時間という限られた時間の中で、2種のプチ・ガトーとピエスモンテ(装飾用工芸菓子)を作り、仕事の手際・風味のバランス・表現力などの総合評価で順位を競う。
しかし、その道のりは想像以上に厳しい。閉店後や休日の時間を惜しんでケーキやあめ細工を作り続けても、規定時間をはるかに超える毎日。その壁をクリアしようとあらゆるものを簡略化する霜上に、ある日、東京で過ごした修行時代の師匠から励ましの言葉が届く。「時間のことばかり気にするのではなく、作りたいものを作るのが先。時間はそれから縮めたらいい。」「受かるかどうかもわからないのに大切なことを見失うな、という師匠ならではの応援メッセージ。死ぬ気でやったらいい、という一言に目が覚めた」と語る。
それから自分自身の作品を追求することからやり直し。試行錯誤を重ね、本大会が10日後に迫ったころ、ようやく制限時間をクリアすることができた。 そうして2度目のチャレンジで九州初のファイナリストとして決勝に進出し、ついに日本の頂点を極めた。コンクールに出ることで自分自身を追い込む環境をあえてつくり、感性を磨き込んでいく。霜上にとってパティシエは常に進化し続けなければならない存在だ。
※ルクサルド・グラン・プレミオで優勝した時のプチガトー「アウグリオ」「デラーム」と優勝メダル。
人を育てることが自分の進化につながる
霜上の元でパティシエールとして活躍している泉 菜月は、2015年6月に開催された日本洋菓子協会連合会が主催する「ボワロン杯パティシエールコンクール」第13回大会の競技会で優勝した。
13回目のテーマは、「やわらかい酸味」ケーキやカップデザート、フランス伝統菓子、あめ細工の4品を制限時間4時間15分で作るというのが課題。泉が、ボワロン杯パティシエールコンクールの存在を知ったのは専門学校の時。国内の女性コンクールの中でトップのコンクールなのでいつかは出たいと思っていた。霜上がルクサルド・グラン・プレミオで優勝したことを知り、ロワゾーブルーの門をたたく。
目標だったコンクールを優勝した泉の次なる目標は男性の人もいるコンクールにも挑戦をしていくこと。いつかは霜上に追いつけるように頑張っていきたいと決意している。
霜上は語る、
「パティシエの仕事は気温や温度を肌で感じて、体で覚えていくもの。そういう感覚やパティシエとしての想いも含め私が持つ技術を店のスタッフだけではなく講習会で訪れた先の若手たちにも、伝えていきたい。これも自分自身の進化にもつながることだと思います。」
お客様への想い
お客様の声を聞きながら霜上が考案したメニューは200種類を超え、地元の玉名はもちろんのこと県外からも多くの人々が集うロワゾーブルー。
そのケーキ作りには、パティシエとしてのポリシーがある。「とにかく味に関してはきちんと美味しいモノを仕上げるということが絶対条件。そして、その先にあるのは美しさ。ケーキ自体の美しさはもちろん、ショーケースの並べ方一つを取ってみても、美味しそう、美味しくなさそうと見えてしまう。だからスタッフにケーキにセロハンを巻く場合も、最後に閉じる所がズレていないかに気を配るように指導します。そこにあるのは技術ではなく気持ちなんです。ケーキの先にあるお客様の姿が想像できれば、気持ちを込めた仕事ができます。その想像力が実は一番大切なんです。」
日本一の技術でお客様の喜ぶ姿を想像して作るケーキは、五感のすべてを楽しませてくれる。「やはり、ケーキ作りも気分が左右されると思います。ケーキを買いに来る方で怒っている人っていません。大抵は何かのお祝いとか、自分一人で食べる場合も、今日は少し頑張ったから、今日は気分がイイから買って帰ろうという感じです。そういう時に、販売スタッフが少し素っ気ない接客をしたり、作り手である僕たちがブツブツ文句言いながら作ったりすると、何かに出ると思います。ですから、やはり気持ちは大事です。」
人を喜ばせる、楽しくさせる最たる食べ物だからこそ、作リ手や販売の人の気持ちも大事になる。そんな目に見えない部分にまで気の配られたロワゾーブルーのケーキの一番の魅力は、美しさという形に表れた、スタッフ全員の気持ちにある。「やはり、綺麗であり続けたい。美しさを追求したい。そこは、これからも自分のスタイルの核になる部分です。」霜上は次なる進化を目指している。
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